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「機動戦士ガンダムNT(テレビエディション)」の感想。ニュータイプについて、ひとつの答えを出す話。

「可能性」と呼ばれるものには、すぐには辿り着けない。それでも、いつかは。

3月5日から全4話のテレビエディションとして放送された「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」。リアルタイムで感想は書けませんでしたが、1話1話メモは書いてました。なのでまとめとして感想を書いておきたいと思います。でもまとめるとほとんど本編(劇場作品)と一緒…

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「ニュータイプ」の一部の側面についての“ひとつの答え”の話

Gundam nt tv4 2

機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)はそんな話だと思います。これまでの作品でのニュータイプは、強化人間として扱われた人間の悲惨さを描きつつも、基本的には「ニュータイプになれば人は分かり合える」あるいは「ニュータイプになっても人は分かり合えない(でも分かり合いたい)」というストーリーが多かったと思います。

ニュータイプは兵器(戦闘マシン?)として描かれることも多いですが、僕は「この広い宇宙でお互いのことを認識し合うための進化」だと思っているし、希望的な側面が強いように思ってます。

ただナラティブではそういう表現よりも、兵器としてや人の進化の行き着く先としての描き方をしている気がしましたね。宇宙世紀のガンダムを見た人の中では「オカルトだ」という意見が度々出てきますが、それに対してもひとつの答えを出している作品だと思います。

Gundam nt tv1 1

「フェネクスのリタ」に対しては、サイコフレームに乗り移って生きているのではなく、ちゃんと「死んでいて、命ではない」って言い切ったのも結論のひとつとして良いと思いました。

宇宙世紀のガンダムでは、死んだ人間が声をかけてきたり、会話したり、何かに働きかけてきたりするシーンが度々出てきます。ナラティブでも「サイコフレームに人の意識を移せば、永遠に生きられる(かもしれない)。死ぬことを克服できる(かもしれない)。」とミシェルが主張します。前作「ユニコーン」でも、フロンタルを筆頭に「cv.古谷徹」や「cv.池田秀一」「cv.潘恵子」が出てくることで、実はニュータイプの世界みたいなもので生き霊になっているのではないか?という見られ方をしますし、実際そう見えるように描いていますよね。

そうして今まで曖昧だった“死んだ人間”に対して、はっきり「意識のようなものは残っているけど、死んでいる」と答えを出したのが、物語としてもちょっとスッキリしました。
ハサウェイでもクェスが出てきたりアムロのような人が出てくるけれど、あれも“死んでしまった本人”では「決して無い」という見方が出来るようになりますよね。

Gundam nt tv2 3

このガンダムの世界でも、死んだ人間は決して生き返らないし、ニュータイプの世界に行って生きながらえることもなく、死は平等なのです。

ゾルタン・アッカネンについて

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本編では「ゾルタン・アッカネン」についての説明が少ないですよね。僕も見ていて「ただの悪役かな?」以上の事はよく分からなかったんですが、実は「漫画版」を見るとちゃんと設定が語られてるんですよ。実はゾルタンは小さい頃から人工ニュータイプ(強化人間)としての実験体として酷い扱われ方をしてきた人物です。

本編を見るだけだと、見た目は怖いし、発言も物騒だし、ゾルタンは「絵に描いたような悪役」にしか見えません。でもちゃんとこの世界で生きてきた「人間」ということが、色々見ていくと分かっていくんですよね。

Gundam nt tv4 4

ガンダムはそういう細かい裏設定のようなものがたくさん補完されていることが多いです。そうして側面を知ってみると、実は「意見としては正しいことを言っている奴なんだな」という立ち位置が分かるので、すごく面白いんですよねガンダムは。

結局は…

Gundam nt tv4 3

ガンダムを見てると、ニュータイプの「正しく思える解釈」を信じたくなります。ニュータイプになれば人と人は分かり合える、お互いを感じ合える。

でも、ひとつ思うことがあります。

この世界で「ニュータイプ(兵器としての強さ)」に飛びつくのも、強化人間の研究が進むのも、結局“目の前の戦争に勝ちたいから”だと思うんですよね…

Gundam nt tv3 3

人類の革新としてではなく、敵よりも優れた都合のいい戦闘マシーンとして扱われていることが多い。

本来希望としての側面がある「ニュータイプ」も、結局は戦争がなかったらすぐに忘れられていったのかもしれないと考えると、やりきれないですね…

ガンダム観てると悲しくなる。

テレビエディションとして

Gundam nt tv1 2

とまあここまで書いたのは、別にテレビエディションの感想というより、劇場版を観ていても出てくる感想ですね。

ナラティブのテレビエディションは全4話だったんですが、そこはどうだったのかも書いてみます。

各話サブタイトルは
第1話「やせっぽちのG」
第2話「籠の中の不死鳥」
第3話「嘘つきは誰?」
第4話「鳥になる」

となっていて、ちゃんと各話の特徴をよく捉えているサブタイトルだったと思います。「籠の中の不死鳥」と「鳥になる」が好き。

ちなみに各話の流れは
第1話は「最初から、ゾルタンがアイネクライネナハトムジークの鼻歌歌って登場するあたり」まで。
第2話は「ダカールの演説のシーンあたりから、ナラティブのNT-Dでセカンドネオジオングをサイコミュジャックするあたり」まで。
第3話は「3人がシドニー湾?にいるシーンから、ラストバトルでナラティブがコンテナ切り裂いて出撃するシーン」まで。
第4話は「ゾルタンが連邦の部隊と戦闘してるシーンから、最後」まで。

(劇場版を観たことある方には伝わるはず)

Gundam nt tv4 1

テレビエディションでは、元々一本の劇場作品だったものを分割することになるわけですが、観る前は流れが切れていくことが不安でした。

でもナラティブのテレビエディションは、切りどころがすごく良かったと思いました!
流れもおかしくないし、来週の楽しみも少し見せるような感じになっていて、良かったです。

1〜3話のエンディングは挿入歌だった「Vigilante」。これカッコいいですよね。オープニングは無かったけど、エンディングにしてもピッタリだなぁと思いました。

第4話は挿入歌の「Cage」が流れて、エンディングは本編通りLiSAの「narrative」

個人的にナラティブで一番好きなのは「Cage」なんですよ。これは元々澤野さんの曲であったものがナラティブ用にアレンジされた曲なんですが、泣けます。歌詞の和訳を見てみると、ナラティブもより楽しめると思います。本当に好きな曲です。

ちなみに劇場版だと、「機動戦士ガンダムNT」のタイトルは一番最後にしか出ないんですよね。これがナラティブの特徴にもなっていて演出的にもカッコいいんですが、テレビエディションでは毎話出てましたね。テレビエディションにすると仕方ないところかも。

まとめ

「ガンダム水星の魔女」シーズン1が終わってから、シーズン2まで放送されていたテレビエディションはこれでおしまいです。
今後配信サイトで配信されていくかは分からないですが、ハサウェイなんかは新規作画のEDとかあったし、テレビエディションも配信されて欲しいかも。でも今見放題になってる劇場版がレンタルとかになったらちょっとイヤだなぁ。

ハサウェイとサンダーボルトでは1話ごとに感想記事を書いてみたんですが、まとめての感想も良かったですね。結局は劇場版の感想を書いているようになりましたが…

ただ機動戦士ガンダムNTは、テレビエディションを通じて今までよりも好きな作品になれました。放送していただいてありがとうございました。

画像:公式サイトより引用

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