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Netflix「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」レビュー。

こんにちは、高山大知(@daichihandflute)です。

Netflixで、10月17日配信開始された「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」を観ました。1話30分で、全6話。

Watch Gundam: Requiem for Vengeance | Netflix Official Site

1度観ただけだと理解しづらい部分があったので、とりあえず2、3回くらい観ました。それでもまだ難しいところがあったので、完全なレビューにはならないですが、良かったところや気になったところを書きます。

ネタバレも含むので、まだ観てない方はぜひ1度観てください。それから改めて記事を読んでくれると、より読みやすいかもしれません。

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全体的な感想

舞台は1年戦争末期のヨーロッパ戦線とのこと。第1話は「11月6日」から始まるんですが、オデッサが陥落するかしないかくらいの時期みたいですね。

僕はなんとなくしか1年戦争の年表を把握してないんですが、アムロや最初のガンダムが出てくるTV(または映画)の「機動戦士ガンダム」をあんまり観てない人でも、割と観れる作品だと思いました。少なくとも、ジオン公国が地球連邦政府に対して独立戦争をしかけて11ヶ月経っていること、ジオンは「モビルスーツ」という人が操縦する人型兵器を生み出したことで有利になったこと、連邦軍があとから「ガンダム」というモビルスーツを開発してジオンに恐れられていること、地球での選局が覆り始めていること…とかをちょっと知ってたら観れると思います。

ストーリーは劇中で起こっている以上のことが起こらないのでそんなに難しくはないはずなんですが、ほぼ新しいキャラクターなので、馴染むまでちょっと時間がかかりました。キャラクター自体の掘り下げも少なめなので、「どうしてそういうセリフを言うのか」ということを理解するのがちょっと難しかったです。

ストーリーや展開よりも、キャラクターの心の動きや考え方なんかを理解するために、繰り返し観た感じですね。今はちょっとだけ分かりますが、もし続編が作られるならもっとキャラクターの過去や背景も合わせて観たいですね。

全編CGアニメーションになっているんですが、CG自体もあまり写実的になりすぎずに、アニメーション寄りになっているそう。

特にモビルスーツの描写が良いと思いました。まず人間とモビルスーツが一緒に出てくるシーンが多いので、大きさの違いが分かりやすいんです。普段のガンダムのアニメはガンダム目線が多いので、人間とのスケールの違いが分かりづらいんですよね。一方「復讐のレクイエム」では人間目線でのモビルスーツという絵がよく出てくるので見上げるシーンが多く、「こっちくるかもしれないし、こんな近くで動かれたら、踏まれるかもしれない…」という怖さがあります。

それからザクの重さを感じられるような動きと効果音も良い。重たそうな歩き方をするし、効果音も合っていて、没入感があります。それに対してガンダムやジムは、ビュンッ!というような動きと効果音になっています。いかにガンダムの完成度が高く、恐ろしい兵器なのか、というかこれは兵器を超えてるんじゃないか…?という気持ちになりました。

印象に残ったシーン

ガンダム、怖い

公開される前、作品のプロモーションビデオを観ても、“ガンダムの怖さ”みたいなものはセールスされていましたよね。

観てみたら、最初に予想していたよりも怖かったです…。

余裕を持った歩き方で登場するし、こっちはしっかりした武装も無いし、ビームライフルは異常なほど高威力だし、撃たれたら一瞬で飛んでくるし、全力でガトリング撃ってるのにものともせず一気に距離詰めてくるし、飛び回ってビームサーベルでサクサクとザクを解体しているし…。

こいつに出会ったらビームライフルで溶かされて気付かないうちにやられているかもしれない…みたいなシチュエーションの怖さもあるんですが、やっぱり目が印象的ですよね。

どのシーンも、ガンダムの顔に影が出来ていて、目が浮き立つようになっているんですよね。暗いシーンでも、目だけが浮き上がっているような感じ。目はいわゆるセンサーなんですが、登場する「ガンダムEX」は、シーンによってセンサーの光る部分が変わるようになっています。それによって目を見開いたり、目を細めたり、キリッとしていたり、表情が変わったように見える効果が出ているんですよね。

今までのガンダムも、上から見るか下から見るかで目の見え具合が変わるので、表情が変わって見えていたりしました。「ガンダムEX」は、それを機械的にやっているような感じだと思うんですが、かなり効果的です。

最初は正直、ガンダムEXに対してのデザインも「独特だなぁ、あんまり好きにならなそうなデザインだな…」と思っていましたが、何度か観ているうちにちょっと好きになりましたし、カッコ良くも見えてきました。

最初はただ敵だっただけのガンダムは、パイロットのことを知って話をしてから、キャラクターとしても好きになれたし、相手にも事情があるんだな、話さないと分からないこともあるよなと思えました。それもあって、ガンダムEXも好きになれたかも。

ガンダムパイロットの名前

今作のガンダム「ガンダムEX」のパイロットは、名前が分かりません。呼ばれないし、公式サイトにも不明と書いてあるんですよ。

スタッフロールでも、「ガンダムパイロット:浦和希」と書かれているだけです。

ですが、実は字幕をつけることで名前が「フィニックス」だと表示されます。

Netflixの字幕は、ガイド付き字幕にすると、セリフの頭にキャラクターの名前が出るようになっています。それでガンダムパイロットの彼が登場するシーンを観ると、セリフの頭に「フィニックス」と表示されているんですよね。

これは本名なのか、裏設定なのか、別人物の名前が表示されているだけなのか、色々な可能性はあるんですが、もしかしたら「フィニックス」という名前なのかもしれません。

「復讐」について

この作品は、ガンダムを倒すことが目的のように見えて、実は“復讐すること”に対しての答えを探すのがテーマ”なんじゃないかと思いました。

僕は最初はちょっと気付けなかったんですが、よくよく見返してみるとそういう描写が出てきますよね。1話の最初では、ジオンが独立戦争を始めたきっかけは連邦政府からの弾圧からの脱却という演説が出てきますし、部隊の仲間を失ったルショーンも(無鉄砲すぎるところはあるけど)仲間の仇を取るチャンスをことあるごとに伺っている…。

単純に観ると、主人公がそれらの復讐心から立ち直って成長する話なのかなと思えますが、そうじゃないところがこの作品の不思議なところ。イリアがニュータイプっぽいせいかは分かりませんが、彼女は最初から復讐についての一定の考え方を持っているんですよね。ガンダムパイロットと少しの邂逅があっただけで、彼の境遇を少し理解してしまうし、仲間の仇よりも彼を救いたいという考えに到達しているんです。

UMRCのオニー先生も、アーフンに対して復讐ではなく平和を選んでほしいという考えを伝えていたり、割と物語の最初の方から「復讐をしない選択」という答えのようなものが出てきていたりします。(アーフンも、最初は攻撃的だったけれど、そういった考え方に触れて、少し成長していく様子があったのも良かった)

「復讐をしても命は戻ってこない、生き返らない」というセリフは、「綺麗ごとに聞こえるけど、これがやっぱり答えだよね!」と思う人も多いと思います。けれど戦争って単純じゃなくて、綺麗ごとだけで戦争が終わったり、命が失われずに済んだり、思い通りになったりしないものです。答えが見つかったように見せかけておいてからの“最後の展開”は、心に刺さりました。

そりゃそうだよな、そうなるよな、当たり前だよな…と。

気になったところ

最後に、気になったところを。

3話で、メカニックを集めてジャンクから「無識別型ザクⅡ(かっこいい!!)」を組み上げるシーン。ボスのロネ少佐に相談せずに進めたところ、バレて、即刻バラせ!と言われてしまいます。

イリヤは1、2日前に突然やってきて、そして相談もせず、過去の知り合いと協力してザクを組み上げてるんですが、そりゃ相談しなかったら怒られるよねってなりました。笑

しかしメカニックも無理して組み上げていると思うんですが、それがバレたからって一言「しかたないのよ」はちょっと無いよなぁ〜…と思ってしまった。

まぁ、無理やり組み上げていなければ絶対に全滅してたから、内緒だとしても無理に組み上げていて正解だったんだけれどさ…。ユーリ・ケラーネが来ていなかったらどうなっていたことか。でも拘束されていたらされていたで、HLV発射を守りきれず、撃墜されていたのでは…。やっぱり無理やり組んで正解だったのか。

ところでケラーネから貰った「ジム盗んでくる任務」は失敗したわけだけど、その後なにか言われたりしたのかな…。場面が飛んだから分からずじまいだ。

ラストシーンのイリヤ。ガンダムパイロットの彼と邂逅したことであの考え方になったのは分かるんですが、それなら尚更息子くんのところに帰って欲しかったと思いました。

親をなくした子供たち、戦災孤児の気持ちが分かるようになったなら、母親が戻らなかった息子くんの気持ちも分かるはず…。イリヤ的には、無事だから大丈夫と思っているのかもしれないけれど、今後息子くんがどんな成長をしてしまうのか、少し心配になってしまいました。

途中で「キャラクターの掘り下げが少ない」と書いたんですが、イリヤに対しても僕はそう思っているんですよね。今作の感情の動きやセリフの発し方は、少し突拍子もないように見えてしまいました。ただ、もしかしたら過去にあった出来事によってそういう考え方になっているのかもしれないじゃないですか。息子くんもどんな子なのか、写真でしか分からないし…。だから、ちょっと文脈を読み取らないといけないところはあったけれど、それだけでダメなところはここだなとは言い切れないです。

なので続編があるなら、他のキャラクターの過去やその後も合わせて観たいですね。

続編希望

CG作品のガンダムって意外と出てるんですが、復讐のレクイエムのように、Netflix独占配信という形は珍しいですよね。気になるところはありましたが、何回か観るくらいには楽しめました。また最初から観たいと思います。

ここまで読んでまだ観たことがない方は、ぜひ観てみてください。

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